転職ふりかえり 2024

2024-02-10

転職ふりかえり 2024

2023年1月末に、いわゆる日本の大企業の研究開発職から、ゴリゴリのスタートアップの二人目エンジニアとして転職しました。

その経緯やら、考えていることやら、感じたことやらをまとめておきます。

いまは何をしているの?

TechBowlというスタートアップでCPOとして働いています。

TechTrainというサービスを作っていて、プロダクトの責任者でもありつつ、まだCTOのいない組織なので実質的に開発部門の責任者でもあります。プロダクトといっても、ゴリゴリのSaaSではないので、カスタマーサポートもサクセスもすべて含めてプロダクトだと考えています。

サービスに関わってくれるすべてのひとにワクワクを提供する

これが私のものづくりポリシーです。

https://techtrain.devhttps://techtrain.dev

以前はどんな仕事をしていたの?

詳しくは経歴のページにあるので社名はそちらに任せますが、京都にある創業150年近い超老舗メーカーの研究開発職でした。

学生時代は情報系の研究科でしたが、数学ばかりやっていました。その影響もあり、学術系の仕事がしたくて研究の盛んなこの会社に入りました。

実は、就活のときに現職TechBowlの社長おざまさ氏(当時は緑のCAという会社)と出会っており、内定も頂いていたので、10年ほどして再会したような感じです。ひとのつながりというのは不思議なものです。

どうして転職したの?

シンプルにものづくりから遠退いたからです。

入社直後は研究もすればコードも書けばテストもするし、顧客に会いに行き、めちゃくちゃ感謝されることもあればボコボコにけなされることもありました。ですが、これはすべていいものを作って世の中を良くしたいからだとワクワクして取り組んでいました。

しばらくすると、ありがたいことにマネジメント能力を買われ、PMを兼任するようになりました。10〜30人ほどのチームマネジメントをしました。もちろんコードも書きつつ、仕様も作りつつ、という感じです。ドメイン知識そのものが学術研究レベルなので、化学系の論文を読みつつコーディングの勉強もしつつ、マネジメントの勉強もしました。チームの大半が海外にいたので英語もたくさん勉強しましたし、仕事では困らない程度までは英語が体に馴染みました。

そういった経緯もあり、ドメインもわかるしコードもかけるしマネジメントもいけるというジェネラリストが生まれました。ジェネラリストの自覚がすごかったので、個人でコードを書いて鈍らないようにしないとなと、Webやらモバイルやらゲームやらと、個人でいろいろ作りました。

そこで一番ハマったのがFlutterでした。実務経験ゼロの技術ですが、Zenn本はたくさん読んでいただけているようですし、Software Designで連載をさせてもらうこともできました。やりこめば、なんでもできるもんだな〜と少し天井が見えていた生活から、一歩抜け出すことができました。

そのくらいの時期に現職のサービス、TechTrainでメンターをはじめました。FlutterやReactや.Netやと、私の好きなことをワイワイ話して盛り上がって、また良いものが生まれていくサイクルがとても心地よかったことを覚えています。

その後、本業では事業部全体を巻き込んだ基幹システムのリプレイス案件に暗雲が立ち込めていました。どうしたものかと困った部長から急に呼び出され、基幹システムのリプレイスプロジェクトを任せたいと言われました。

ゼロスタートのプロジェクトではなく、燃えかかったプロジェクトの再建です。社内でも消防隊員として知られていた私でしたので、あぁとうとうきたかという気持ちで引き受けました。

アレヤコレヤと過去の成果物をながめ、思い切って破棄する部分も多く、あちこちの期待値調整祭りでした。もともとのチームがソフトウェアの精鋭たちではあったのですが、ドメインエキスパートが不在だったので、社内各所のとの調整不足が主な課題でした。

結果的に調整は上手く行き、プロジェクトが軌道に乗り、MVPを作って社内でプレゼン祭りをするところまで進みました。ついでにDXじゃーと、オンプレSVNが主流だった組織にGitHub Enterpriseを導入しました。これがまた利権まつりで、イヤダイヤダと言う人たちをつかまえ、ひとりづつ説明にまわり、納得させ、社内規定を総ざらいし改定し、導入成功まで1年半ほどかかりました。

このころから、マネジメントの対象に違和感を感じはじめました。

モノ、ヒトのマネジメントはポジティブです。

しかし、根回りマネジメントの占める割合、それにより遅延するものづくりの現場にモヤモヤしていました。

これについてもアレヤコレヤと改善を実施し、アジャイル開発、1on1、開発体験改善の社内インフラ構築などいろいろやりました。確かに良くなりました。メンバーもとても活き活きと開発ができるようになりました。

そんなときにふと、あれ?なんでこんなに時間をかけてるのに、これだけしか進んでないんだろう?と感じるようになりました。

社内には尊敬するすごいエンジニアがたくさんいるのに、この人たちの出力効率を最大化したら、もっとなんでもできるのに、どうしてこんなに遅いんだろうと疑問を抱くようになりました。

そんなとき、大企業の逆側(というと雑ですが)のスタートアップの働き方はどうなっているのかを調べてみることにしました。転職活動のための情報収集も兼ねていくつかの会社と面談をしたりしました。

そうすると、実はスタートアップも大企業も開発そのものは特に何も変わらないなと感じました。もちろん、品質管理体制やドキュメンテーションなど、大企業では当たり前な(むしろ過剰なほど実施されている)ことを一生懸命構築しているような印象を受けました。

あぁ、そうか、どちらもフェーズが違うだけでものづくりのためにやるべきことを片っ端からやっているのは同じなんだな、そう感じました。

それと同時に、スタートアップでやってるコレを持って帰って導入したいな、逆にうちでやってるアレをスタートアップでもやればいいのに、といった相互作用の可能性を感じました。

それぞれの強みを知っておけばもっといいものづくりチームが作れそうだ。

そこで、もっとものづくりに集中したい。ものづくりのためのスキルを身に着けたいと、実装から何から全部やれるスタートアップに身を置こう。大企業の知見をスタートアップで展開してみよう、そう考え、転職を決めました。

これからどうするの?

スタートアップも大企業もごちゃまぜにしたいです。

社会全体でエンジニアの流動性を上げたいです。

もちろんソフトウェアエンジニアだけではありません。

ものづくりに関わる人材すべての流動性を上げ、双方の強みが掛け合わさり、シナジーが起き、ものづくりが盛んになり、面白いサービスがどんどん生まれ、ワクワクした世の中になる。

そんな社会を作りたいです。

TechBowlのキーワードは『エンジニアリングで日本の国力を上げる』です。

私の野望と完全にマッチするこの組織で、野望を実現します。

🔥ファイヤー

© 2022, Sugitlab All rights reserved.